スマホ 現金目的で短期間乗り換え急増

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スマートフォンの顧客獲得競争が激化していますが、携帯電話会社を乗り換えたときに支払われる高額なキャッシュバックを目的に、短期間で乗り換えを繰り返す利用者が急増していることが、通信会社などへの取材で分かりました。
こうしたキャッシュバックの費用は継続的な携帯電話利用者が負担している構図で、国が対策の検討も始めています。

スマートフォンの顧客獲得競争は激化していて、大手携帯電話会社3社はことしに入って、会社を乗り換えた利用者に対し5万円から8万円程度の高額なキャッシュバックを行っています。
このキャッシュバックを目的に、短期間で携帯電話会社の乗り換えを繰り返す利用者が急増していて、このうち東京の日本通信では、契約を30日以内に解除して他社に乗り換えた件数が、先月までの3か月間でおよそ1万5000件に上ったことが分かりました。
この数は前の年の4.5倍に当たり、これまでで最多だということです。
さらに、携帯電話向けの回線サービスを提供しているソネットでも、こうした利用者がことしに入って急増しているほか、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社でも多くいるとみられます。
背景には、キャッシュバックが高額化したため、乗り換えに伴う違約金や手数料を支払っても得をすることがあり、NHKの取材では半年間で50万円以上の現金を得た人もいます。
さらに、こうしたキャッシュバックの原資は実質的に継続的な携帯電話利用者が支払っている通信料金で、野村総合研究所の推計によりますと、負担額は利用者1人当たり年間3000円近くに上るということです。
このため総務省の作業部会は、利用者の間に不公平が生じているとして、対策の検討も始めています。
日本通信の福田尚久副社長は、「1社だけで対策をすることは難しい状況になってきている。国が主導して是正していく必要がある」と話しています。

各社と国の対応は
他社から乗り換える利用者へのキャッシュバックが高額化していることについて、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手携帯電話会社3社は、不公平感も強まっており、現状には問題があるとしています。
そのうえで、NTTドコモは「他社の状況を見ながら、キャッシュバックは減額・縮小し、継続利用者を優遇する方向にシフトしていきたい」としています。
また、ソフトバンクは「速やかに適正化に取り組んでいきたい」としていて、KDDIは「今後の策についてはコメントできない」としています。
3社の中には、来月に向けてキャッシュバックの額を減らす動きもありますが、今後、競争が過熱した際に、キャッシュバックの額がどのようになるかはまだ不透明です。
また、総務省の作業部会でもキャッシュバックの高額化を問題視する意見が相次いでいて、規制の必要性があるかなど、現状の確認と対策の検討を行い、ことし7月ごろまでに中間の取りまとめを行うことにしています。
総務省の作業部会の委員を務める野村総合研究所の北俊一上席コンサルタントは、「キャッシュバックの費用は実質的に継続利用者が負担していて、不公平でゆがんだ競争になっている。国が規制して、キャッシュバックはすぐに廃止し、通信料の値下げや料金プランの多様化などで還元していく必要がある」と話しています。

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